派遣の抵触日とは?概要から事務所・個人単位の抵触日の違いも含めて解説

派遣の抵触日とは
派遣ノウハウ

「派遣の抵触日」という言葉をよく聞くけど、意味を把握していない方も多いかもしれません。

結論から言うと、派遣の抵触日とは派遣期間制限が切れた翌日のことです。

とはいえ、派遣の抵触日は事務所単位と個人単位で違うなど実例がないとイメージしづらく、不安になるかもしれません。

派遣の抵触日の概要や抵触日を過ぎた後の進路などについて、詳しく説明していきます。

最後に、どんな派遣会社を選べば失敗しないのかもお伝えします。

ぜひ、新たな働き方を手に入れましょう。

派遣の抵触日とは?概要や労働者派遣法の改正について解説

2015年の労働者派遣法の改正により、派遣期間制限が定められました。派遣社員として働く場合、原則3年以上同じ職場で働けません。

派遣の抵触日とは、派遣期間制限が切れた翌日を指します。抵触日を超えると、派遣先企業は派遣社員を受け入れられず、派遣社員も同一の組織では働けなくなるのです。

しかし、改正以前の契約が残っている場合、その契約の終了後、新しく結んだ契約から改正派遣法による期間制限の対象です。つまり、新しい契約が結ばれた日が起算点になります。

派遣社員に抵触日がある理由は、正社員=キャリア形成が図れる+安定的な雇用という位置付けを守るためです。そのため、安価で雇用できる派遣社員へ置換できないようにしています。

あくまで派遣社員は、臨時的な働き方として位置づけられているのです。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第四十条の二派遣で働く皆様へ法令検索

派遣の抵触日の種類と抵触日が例外になる場合

派遣の抵触日の種類は二種類あり、例外も存在します。

  1. 事務所単位の抵触日
  2. 個人単位の抵触日
  3. 抵触日が例外になる場合

それぞれ詳しく見ていきましょう。

事務所単位の抵触日

同じ派遣先企業への派遣期間は3年が限度と定められており、その期間が切れた翌日が事務所単位の抵触日です。派遣先企業へAさんを1年派遣したことがあると、次に派遣するBさんは最大2年しか働けません。

個人単位の抵触日

派遣社員は同一の組織で働ける期間は3年限度です。その期間が切れた翌日が個人単位の抵触になります。

同一の組織単位とは会社ではありません。具体的には以下のような枠組みです。

  1. グループ

そのため、同じ企業の総務課から人事課に派遣されることは可能です。

抵触日が例外になる場合

全ての派遣社員に抵触日が適応されるわけではありません。以下のように抵触日が例外になる場合もあります。

  1. 派遣会社に無期雇用されている場合
  2. 60歳以上の場合
  3. 事前に期間が定められているプロジェクト業務で働いている場合
  4. 月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下で働いている場合
  5. 産前産後休業・育児休業・介護休業を取得している派遣先社員の代替業務を行っている場合

参考:派遣受入期間の制限について厚生労働省

個人の派遣期間制限より事務所の派遣期間制限の方が優先される

個人の派遣期間制限より事務所の派遣期間制限の方が優先されます。つまり、個人単位の派遣期間制限が残っている場合でも、派遣可能期間を超えて働けません。

たとえば、派遣先企業の派遣可能期間が2018年4月1日から2021年3月31日までの3年間とします。

しかし、派遣社員Aさんが2018年4月1日から2020年3月31日まで働いていた場合、派遣社員Bさんが2020年4月1日からA社で働き始めた場合は1年間しか働けません。

もし、Bさんが3年間働くとしたら企業側に派遣可能期間を延長してもらう必要があります。

派遣には抵触日の通知義務がある

派遣には抵触日の通知が義務付けられています。主に2パターンの通知が必要になる場合があります。

  1. 派遣会社から派遣社員へ
  2. 派遣先企業から派遣会社へ

それぞれの通知方法の特徴や注意点を紹介します。

派遣会社から派遣社員へ

派遣会社は派遣社員へ派遣契約を結んだ際、抵触日を通知しなければなりません。基本的には就業条件明示書に抵触日が記載されています。

派遣先企業から派遣会社へ

派遣先企業は派遣会社と派遣契約を結んだ際、事前に事業所単位の抵触日を書面などで通知しなければなりません。

抵触日を通知することで新しい派遣契約を締結する前に抵触日を把握して、派遣可能期間の制限を超えないようにするためです。

通知方法は、以下の通りです。

  1. 書面での交付
  2. 書面のデータを電子メールに添付する
  3. 電子メールに記載する

また、派遣期間制限を延長したい場合は細心の注意を払いましょう。

派遣期間制限を延長したいなら、抵触日の1カ月前までに事業所が過半数労働組合などへ意見聴取しなければなりません。

複数の支店や営業所を持つ事務所では本社に加えて、各支店・営業所にも意見聴取を行う必要があります。

正しい意見聴取が行われていなければ、抵触日の後も派遣社員として雇用していた場合、期間制限違反になる可能性が高いので気をつけましょう。

そして、意見聴取の手続き後は、派遣先企業から派遣会社へ新しい事業所の抵触日を通知してください。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則 第二十四条の二

抵触日が過ぎた派遣スタッフのその後は?

抵触日が過ぎた派遣スタッフのその後は
抵触日が過ぎた場合は再度、職探しを行います。

主な抵触日が過ぎた派遣スタッフの進路は、以下の4つです。

  1. 同じ派遣先企業の別の課で働く
  2. 別の派遣先企業で働く
  3. 延長を希望して派遣先企業で直接雇用として働く
  4. 違う派遣会社へ登録してみる

それぞれの詳細を見ていきましょう。

同じ派遣先企業の別の課で働く

同じ派遣先企業で働き続けたい場合は同じ派遣先企業の別の課で働くことを検討しましょう。同一企業の場合は同じ課では働けないためです。

たとえば、東京支店総務課で働いていた派遣社員Aさんが同じ東京支店で働くには、営業課や人事課など別の課で働かなければなりません。

そのため、同じ派遣先企業の社風や福利厚生などを気に入った場合、別の課で働きましょう。

別の派遣先企業で働く

業務内容が類似した別の派遣先企業で働くのをおすすめします。以前の派遣先企業での経験やスキルを活かせる可能性があるためです。

たとえば、同じ派遣先企業でも経理課と営業課でも求められるスキルが異なり、活躍できる保証はありません。

一方、同業他社の経理課なら類似した業務内容が多く、即戦力になれる可能性が高いのです。

そのため、スキルや経験を活かしたい場合は業務内容が類似した別の派遣先企業を紹介してもらいましょう。

延長を希望して派遣先企業で直接雇用として働く

派遣先企業から雇用の打診があった場合、派遣社員本人が希望すれば、直接雇用で働けます。

雇用形態は正社員以外にも契約社員、アルバイトも含まれており、確実に待遇が良くなるわけではありません。

そのため、直接雇用の打診があった場合は、派遣社員の時より待遇が良くなるのかをチェックしてから契約しましょう。

違う派遣会社へ登録してみる

紹介される派遣先企業へ不満がある場合は違う派遣会社へ登録してみましょう。派遣会社にも特徴があり、自分に合わない場合があるためです。

たとえば、IT企業のエンジニア職を希望していても、そもそも未経験から応募できる求人が少ない派遣会社では希望が叶わない可能性があります。

希望条件に沿った企業を紹介してもらえない場合は思い切って、違う派遣会社へ鞍替えしてみるのもありかもしれません。

なお、ビッグアビリティでは幅広い業界・職種の求人が揃っているため、「希望通りの企業で働きたい」という方におすすめです。

派遣会社選びで失敗しないための5つのポイント

自分に合った派遣先企業へ巡り会うには、適切な派遣会社の選択が欠かせません。

良い派遣会社を選ぶには、選び方のポイントを押さえておく必要があります。そこで良い派遣会社を選ぶためのポイントを5つ紹介していきます。

派遣会社を選ぶポイントは以下の5つです。

  1. 職種の選択肢が豊富にあるか?
  2. 長期的に働けるか?
  3. 福利厚生が充実しているか?
  4. スキルアップが見込めるか?
  5. 優良派遣事業者認定制度に認定されているか?

それぞれの詳細を見ていきましょう。

職種の選択肢が豊富にあるか?

派遣会社が取り扱う職種の選択肢が豊富にあるかをチェックしましょう。

職種の幅が広ければ、本当にやりたい仕事が見つかりやすいためです。

とはいえ、職種が豊富でも自分の希望に合わない求人ばかりの可能性もあります。そのため、希望条件に沿った求人があるかをチェックしてみてください。

ホームページで仕事検索ができる派遣会社であれば、大まかな求人情報が掴めるので、活用しましょう。

長期的に働けるか?

長期的に働けるかを念頭に置いて派遣会社を選びましょう。お伝えして来たように、派遣社員は契約期間に制限があるためです。

長期的に働くには、以下の種類の契約があります。

  1. 無期雇用派遣
  2. 紹介予定派遣

無期雇用派遣とは、派遣会社と期限を定めずに雇用契約を結び、派遣社員として働く仕組みのことです。

紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に本人と派遣先企業と双方が合意すれば、正社員になれる働き方のことです。

上記の種類の契約ではなく企業から更新の打診がない場合は、再度新しい派遣先を見つけなければなりません。

そのため、無期雇用派遣か紹介予定派遣のどちらかに対応している派遣会社を選ぶのをおすすめします。

福利厚生が充実しているか?

福利厚生が充実しているかも重要な判断材料になります。

福利厚生の例

  1. 有給休暇
  2. 社会保険
  3. 各種手当

現在こそ数は減っていますが、賃金未払いや社会保険に加入させないなど劣悪な派遣会社も存在します。

そのような派遣会社に当たらないためにも、福利厚生の内容はホームページなどで事前に確認しておいてください。

スキルアップが見込めるか?

スキルアップできる職場の多さは派遣会社選びで重要なポイントになります。年齢が上がるほど仕事に就けるハードルは高まるためです。

たとえば、同等のスキルなら30・40代より20代の若手を育成して戦力にしたいと考える企業が多い傾向があります。

そのため、年齢とともにスキルも磨いていかなければ、仕事の選択肢が限られてしまうかもしれません。

未経験者を歓迎している企業で働きながらスキルアップしていくと、より良いキャリアプランが築けます。

優良派遣事業者認定制度に認定されているか?

優良な派遣会社を見分けるためにチェックしてほしいのが「優良派遣事業者認定制度」です。

優良派遣事業者認定制度とは、派遣社員に寄り添った労働環境やキャリア形成の支援など、安心できる派遣会社にのみ与えられる制度のこと。

つまり、この制度の認定が確認できれば、優良な派遣会社と言えるわけです。

優良派遣事業者認定制度に認定された派遣会社の例として、ビッグアビリティが挙げられます。

ビッグアビリティは、健康保険協会の「協会けんぽ」に加入しているほか、半年や1年間などの就労日数に応じた有給取得など労働環境が整っています。

また、プログラミングスクールや英会話スクールに特別価格で受講できるスキルアップサポートも充実。

未経験者や経験者など幅広い層向けの求人も揃っているため、派遣社員からキャリアアップしていきたい方におすすめです。

派遣期間制限のクーリング期間とは?

派遣期間制限のクーリング期間とは、個人単位と事業所単位ともに期間制限をリセットできる期間のこと。

前述した通り、個人単位では同一組織で3年を超えて働いたり、事務所単位でも3年を超えて派遣社員を受け入れたりできません。

しかし、派遣期間が終了して3カ月と1日後には期間制限がリセットされ、同じ派遣社員を再び受け入れることができます。

ただし、クーリング期間を利用した雇用は法律上、推奨されていない行為です。そのため、派遣社員にペナルティはありませんが、派遣先企業は指導の対象になるかもしれません。

まとめ:​​抵触日も理解しながら、派遣をしよう

ここまで、派遣の抵触日の概要や抵触日を過ぎた後の進路などについて見てきました。

派遣の抵触日とは、派遣期間制限が切れた翌日を指します。抵触日を超えると、派遣先企業は派遣社員を受け入れられず、派遣社員も同一の組織では働けなくなります。

抵触日さえ把握していれば、派遣社員は社会保険の加入や有給取得などは充実していますし、条件も決して悪くありません。

ただし、派遣会社ごとに扱っている求人に違いがあります。

つまり、紹介予定派遣や無期雇用派遣など自分の希望条件に沿った企業がある派遣会社を選んだ方が派遣社員として良いスタートを切れます。

ビッグアビリティでは、優良派遣事業者認定制度に認定されており、職種や福利厚生も充実しているので、快適にお仕事ができます。また、資格取得や英会話を優待価格で利用できます。

派遣の選択肢も入れながら、今後のキャリアプランを構築してみてください。

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